自分勝手な読書レビュー

レビュー、感想文といった形式で自分が読んだライトノベルやミステリー小説を中心になるべく短く、簡潔に記事にしていきます。ブログ開設以前に読んだ作品については記憶が曖昧な本については読み直しその都度また新しい評価、感想を記事にしていきます。読書は好きですが読書愛好家という訳でもなくただの素人です。低学歴なために文も拙いことがあると思いますがご容赦ください。

三代目薬屋久兵衛/ねむようこ

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三代目薬屋久兵衛/ねむようこ


~あらすじ~


漢方娘×薬草園男子の恋。『午前3時の無法地帯』のねむようこ最新作! すこしフシギな町が舞台の、かわいい恋の物語。 「初恋を信じていたい。でも、出会ってしまった。」 2ヵ月前に地元に戻ってきた25歳の三久(みく)は、 祖父の漢方薬局「薬屋久兵衛(くすりやきゅうべえ)」を継ぐために修行中! 店を訪れるお客さんの体と心のお悩みに、時に漢方で、時にはおしゃべりで、 祖父と共に応える毎日。その一方で、初恋を忘れられずにいる三久だったが、植物好きの超人見知り青年・カナエに出会って彼のことが少しずつ気になり始め──? 本格漢方×大人の純情ラブ、開幕! 


1ヶ月も更新をしていませんでした。しかも今回はまさかの漫画ということで、評価というよりは感想という感じです。


表紙にまず惹かれました。ものすごく自分好みなイラストでした。中身を除くと期待を裏切らない丁寧で綺麗な絵で、キャラクターも個性豊かでどのキャラクターもとてもイキイキとしています。


とにかく色んなキャラクターが生み出す和み要素がページをめくる度に心をあたためて、幸せな気持ちにしてくれる、そんな作品です。

複雑な恋愛や過去をこうも綺麗にまとめ、やわららかく、かつ全キャラクターに恋愛の焦点をあてて5巻でグダることなくしっかりとハッピーエンドにもっていって満足かつスッキリします。


普段少女漫画やラブコメライトノベルを読むことが多いが、叶くんの設定が臭くなくてとてもよかった。ここが一番スッキリと読めたポイントだと思う。


午前3時の無法地帯こちらもこりゃ読むしかないと思いましたね。

鼻/曽根圭介

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鼻/曽根圭介 評価:★★★★★


~あらすじ~

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、2人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが……。


1週間ぶりの投稿となります。今日からは毎日投稿を頑張ります。

デビュー作のこの作品で第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞、2作目の"沈底魚"では第53回江戸川乱歩賞を受賞。共に受賞したのは曽根圭介が初だそう。

この作品は『暴落』『受難』『鼻』の3つの短編小説を収録していて、同じホラージャンルであるものの、それぞれ違った面白さがある。全部語ると長くなるのでメインの『鼻』について話そうと思います。

とにかく"ヤバい"です。
語彙力のない感想ですが読めば皆こう思うはずです。ただ、読み終わったときにはそうは思いませんでした。オチがわからずモヤモヤしていました。

ただ、大森望氏の解説を読むことで「はぁ~~~~~」となります。解説読まないと、自分のような浅はかな人間にはこの上手く作り込まれた叙述トリックは理解できないです。ホラーなのにミステリーさながらの叙述トリック
ある程度のところまで気づくことは出来るものの解説の通りハッキリとオチを掴むことが出来なかった、悔しいという感情と共に解説を読んでニヤけてしまいました。2回、3回と読み返したくなる伏線張りまくりのトリックホラー、短編で読みやすいので是非読んで欲しいです。めくるページが止まりませんよ。

ZOO 1/乙一

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ZOO 1/乙一 評価:★★★☆☆

~紹介文~

何なんだこれは! 天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され――(「カザリとヨーコ」)。謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?――(「SEVEN ROOMS」)など5編をセレクト。

乙一さんはホラーで有名ですね。高校時代に乙一さんの本を少し買っていてGOTHシリーズ、夏と花火と私の死体、失はれた物語を読みました。特に夏と花火と私の死体に関しては17歳であれを書くって凄いですよね。

ZOO 1は短編集でどれも展開が読めるもので、うーんといった感じでしたがその中で"陽だまりの詩"という作品はオチも含めて短いながらに一瞬で"陽だまりの詩"の世界観に持ってかれて適度に感動できて、いいなあと思いました。ZOO 2も読みたいと思います。短編集なのでサクッと読めて、本をあまり読まない若い男性の方にオススメの一冊であると思います。

僕は彼女を攻略できない/三門鉄狼:掃除朋具


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僕は彼女を攻略できない/三門鉄狼:掃除朋具 評価 ★★☆☆☆

~あらすじ~

ある日突然自分の役割が宣告される現象――《役振り》が多発している世界。俺・鶴見アユムは18歳の誕生日に、突然「エロゲの主人公」を《役振り》された。早速現れた一人目のヒロイン・白藤都は、容姿端麗・頭脳明晰・性格も良い完璧ヒロインで、ついに非モテ卒業、楽しいハーレム学園生活が待ってるぜ! ……と思ってたんだけど、なんで白藤は「ラノベ」ヒロイン役なんだ? え? 「ラノベ」だからエロいことはNG!? 卒業までに白藤と結ばれないと、俺はペナルティで男と結ばれるんだけど!? この世界「まちがい」だらけのクソゲーじゃん! 助けて神様!


先日読み終わったばかりのラノベです。
イラスト担当はあの掃除朋具さん。いつもお世話になってます(色々な意味で)。UR THE BEST! というラブライブの同人シリーズはオススメですよ。

ハーレムエロゲ主人公とラノベヒロインが決まりによって結ばれないといけない。エロゲとラノベのズレがネックになり、ハーレムという要素を交えつつ主人公、ヒロイン、妹中心に物語が進みます。教師と幼なじみも珍しいキャラ設定で、前者はわりとちょこ出てきますが幼なじみはあまり出てこないです。分かりきった展開ではあるけども、一応ネタバレのためこれ以上は口を閉じます。

他評価はいい評価が多いようですが、自分はあまり面白いと感じませんでした。色々な要素がゴチャゴチャしてて、グダりながら最後にちょこっとハーレムして終わるみたいなところが勿体なかったと思います。あと終盤の主人公がちょっと臭さを感じました。ただしヒロインはタイプでした。

1巻完結だと思う…のですが、もし続くようならあえて読むかも知れません。次巻を出すのが吉と出るか凶と出るかがかなり楽しみです。出すなら幼なじみと妹をしっかり回収してもらいたいですね。

弱キャラ友崎くん/屋久ユウキ:フライ

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弱キャラ友崎くん屋久ユウキ:フライ 評価 ★★★★☆

~あらすじ~

人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、人生は神ゲーと言いきった。生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。挙句、「この人生のルールを教えてあげる」だって?……普通はそんなの信じない。だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ!第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。弱キャラが挑む人生攻略論ただし美少女指南つき!


"おまえををオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!"というアニメ化にならなかったものの神ラノベとして有名な作品を御存じでしょうか‍?
作風としては少しだけオタリアに似ています。
ですが、こちらの方がより新しくテンポもいいです。オタクがパンピーになるための攻略本のようなライトノベル。普通に現実的に参考になります。
既刊3巻です。

コンビニ人間/村田沙耶香

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コンビニ人間村田沙耶香 評価★★★★☆



~あらすじ~

36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。





▽初投稿ということで、私が何回も読んでしまうほど好きな小説の感想文を書きたいと思います。第155回芥川賞受賞作でもある村田沙耶香さんのコンビニ人間です。

今まで私は◯◯賞受賞作という肩書きのある本は"大人の読む" "堅苦しくて幼い自分にはまだ難しい"などという固定概念を勝手に植え付け、避けてきました。

この本を知ったのは私の好きなバラエティ番組『アメトーーーク』の読書芸人という企画で紹介されていたということがキッカケでした。芥川賞受賞作にもこんなユーモアのあるタイトル、あらすじの本があるんだ!と素直に興味を持ち、すぐに買って読みました。

160ページで結構すんなり読み終わりました。元々読み終わるのが早いですがとてもサクッと読めて読書を普段しない人にもオススメ出来るなと思いました。

社会の"普通"とズレた女性が、コンビニ店員を通して出会った人たちの発言や性格などをコピーして自分を作り出していく、まさにコンビニ人間といった主人公にとても狂気を感じました。いい意味でとても気味の悪さが出ててニヤリとしてしまいます。

個人的には★5つだったのですが、この本はバッサリ言ってしまうと
変な女性の何も変わることのない生活を上から覗いているような感覚です。
なのでストーリー調でもなく、最後にどんでん返しもなく読み切ってスッキリしたり感動するものではありません。エッセイを読んでる気分に近いです。正直、好みが分かれる作品だと思います。

ですが、読んで見ないとわからない。そこで1~2時間あればサクッ読めてしまう。芥川賞受賞作品が。そんな感じで軽い気持ちで読んで欲しいと思いました。




今回は少し長めに書きましたがあまり長く文章を書きたくないので、次からはレビュー,感想文のくせにザックりサクッと簡潔に文章を書いていきたいと思います。