コンビニ人間/村田沙耶香
~あらすじ~
36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。
現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。
▽初投稿ということで、私が何回も読んでしまうほど好きな小説の感想文を書きたいと思います。第155回芥川賞受賞作でもある村田沙耶香さんのコンビニ人間です。
今まで私は◯◯賞受賞作という肩書きのある本は"大人の読む" "堅苦しくて幼い自分にはまだ難しい"などという固定概念を勝手に植え付け、避けてきました。
この本を知ったのは私の好きなバラエティ番組『アメトーーーク』の読書芸人という企画で紹介されていたということがキッカケでした。芥川賞受賞作にもこんなユーモアのあるタイトル、あらすじの本があるんだ!と素直に興味を持ち、すぐに買って読みました。
160ページで結構すんなり読み終わりました。元々読み終わるのが早いですがとてもサクッと読めて読書を普段しない人にもオススメ出来るなと思いました。
社会の"普通"とズレた女性が、コンビニ店員を通して出会った人たちの発言や性格などをコピーして自分を作り出していく、まさにコンビニ人間といった主人公にとても狂気を感じました。いい意味でとても気味の悪さが出ててニヤリとしてしまいます。
個人的には★5つだったのですが、この本はバッサリ言ってしまうと
変な女性の何も変わることのない生活を上から覗いているような感覚です。
なのでストーリー調でもなく、最後にどんでん返しもなく読み切ってスッキリしたり感動するものではありません。エッセイを読んでる気分に近いです。正直、好みが分かれる作品だと思います。
ですが、読んで見ないとわからない。そこで1~2時間あればサクッ読めてしまう。芥川賞受賞作品が。そんな感じで軽い気持ちで読んで欲しいと思いました。
今回は少し長めに書きましたがあまり長く文章を書きたくないので、次からはレビュー,感想文のくせにザックりサクッと簡潔に文章を書いていきたいと思います。