鼻/曽根圭介
鼻/曽根圭介 評価:★★★★★
~あらすじ~
人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、2人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが……。
1週間ぶりの投稿となります。今日からは毎日投稿を頑張ります。
デビュー作のこの作品で第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞、2作目の"沈底魚"では第53回江戸川乱歩賞を受賞。共に受賞したのは曽根圭介が初だそう。
この作品は『暴落』『受難』『鼻』の3つの短編小説を収録していて、同じホラージャンルであるものの、それぞれ違った面白さがある。全部語ると長くなるのでメインの『鼻』について話そうと思います。
とにかく"ヤバい"です。
語彙力のない感想ですが読めば皆こう思うはずです。ただ、読み終わったときにはそうは思いませんでした。オチがわからずモヤモヤしていました。
ただ、大森望氏の解説を読むことで「はぁ~~~~~」となります。解説読まないと、自分のような浅はかな人間にはこの上手く作り込まれた叙述トリックは理解できないです。ホラーなのにミステリーさながらの叙述トリック。
ある程度のところまで気づくことは出来るものの解説の通りハッキリとオチを掴むことが出来なかった、悔しいという感情と共に解説を読んでニヤけてしまいました。2回、3回と読み返したくなる伏線張りまくりのトリックホラー、短編で読みやすいので是非読んで欲しいです。めくるページが止まりませんよ。